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3月31日に想う。

近況も書けず、久しくご無沙汰しています。


私の仕事は春の決算期が一年で一番忙しいため、3月から残業残業で夜の遅い生活に入っていて、
それ以前と生活時間や状態も全く変わってしまい、押し寄せる仕事、精神的余裕なく緊張とストレスが続くまま、昨日から更に忙しい新年度の4月に突入です。

と、忙しい忙しいって言ってるのも、なんかかっこ悪いっすね。

いろんなことを私なりの大きくない器に抱えながら、四苦八苦しながら、なんとか決算乗りきりたいです。



そんな中、一昨日3月31月は、私が数年前に今の職場に入った時から心遣いを頂き、とてもお世話になった上司が定年を迎えられ退職されました。

印象に残る人、と言うのはどこの職場にも存在すると思うし、私も(思えば結構長い社会人生活の中で)いくつかの職場の経験をさせてもらい、
何人もの「上司」と出会いましたが、その中でも、その頭の明晰さ、仕事や指示の的確さ、部下を管理する者としての能力や包容力、そして昭和時代からの、昔の上司像?らしい部下への心遣いや、「役損」(上役としての「役得」ではなく、逆。)を当たり前とする考え方、簡単に言うと器の大きさ、そして、基本は「仕事は楽しくやろうよ」と言う考えと、厳しく、出来る上司でありながら、時におちゃめな可愛らしさを持つ魅力的な人物でありました。

私が出会ったのは数年前でしたが、
それまでも、その上司の永年の仕事生活の中で、彼と関わってきた人たち、
彼の部下達、同僚達、上司達…にとっても、なにか光る存在感を持つ人だったのたろうな、と思わせる人でした。


優れた人を見る時、
はー、凄いな、こんな器や考え方の人…、と感心すると同時に、ポジティブな力を与えられる気がします。

優れた人の、明るい、ポジティブな力と言うのは、まわりの人にポジティブな伝播をします。

そんな人と出会えたこと、その人から感じたエッセンスを時に思い出し、至らぬ私もこれから過ごせていけたらと思います。

お酒が好きなその上司。
最後に、お世話になった感謝をほんの気持ちだけですが贈りたく、退職日に(帰りのお荷物になるのは恐縮で、それは詫びたのですが)、
赤ワイン、上司の好きなフルボディのフランスの赤ワインを贈りました。


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3月31日の期末の会社の慌ただしい空気の中、その上司以外にも何人かいらした退職者の方々は、拍手と花束の中で去っていかれました。



その夜、その上司から初めてメールを頂きました。
(退職に際し、何日か前にアドレスを交換したばかりでした。)

退職日の夕食に、早速、奥様と赤ワインで祝杯をあげた、とても美味しかったです、と言うお礼のメールでした。

”明日からは、新しい生活が始まります。スローライフに切り替えて、ノンビリやろうと思っています。”

永年、第一線で働き続け、仕事仕事で戦い続けて来た、まさに団塊の世代の日本人の一人と言える方ですが、そのエネルギーや好奇心が、今度はまた違ったフィールドで豊かに、ゆっくりと発揮されるのでしょう。
「楽しむ」と言うことを知っている人だから、これからの、趣味や(歴史の研究や、物を書くこと(文筆)もお好きだと確か聞きました。)家庭での生活もきっと、その好奇心や探求心とともに楽しまれるのでしょう。

素敵に歳を重ねて行かれる人を知るのは、嬉しいことです。


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毎日慌ただしく、時間も余裕もない春の中で、
ちょっと心をとめて感じることのあるひとつの別れでした。


そしてまだせわしない春は続きます。
by voicivoila | 2010-04-02 23:24 | 日々のログ
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