アマーニの踊りをみていたらシルヴィ・ギエムがみたくなった

先日買ったレバノンのダンサー、アマーニのDVDを観ていたら、彼女の舞台根性というか舞台肝っ玉の据わった様子からか、ふとシルヴィ・ギエムが見たくなり、『椿姫』のDVDを取り出して久しぶりに見る。

シルヴィ・ギエムを初めて見たのは、ベリーを知るずっと前、東京文化会館に東京バレエ団の上野水香を目当てで観にいった時だった。バレエはよく知らないので、その日のプログラム、東京バレエ団が終わった後の後半、演目『椿姫』を踊るシルヴィ・ギエムを、私はぼんやり名前を聞いたことがあるくらいで全く顔も知らなかった。知らないので先入観も期待もなく幕が開くのをぼんやり見てたのだが、リストのピアノソナタロ短調で始まった舞台でギエムが現れた時、その貌、演じる表情にゾっとし、もうそれからは夢中で最後まで見た。確か40分はある演目だったと思うが、感覚では20分くらいにしか思えない。

シルヴィ・ギエムは、超越した身体技能で有名だと思うが、もちろんそれにも驚愕したのだが、私は彼女は表情も物凄いと思う。バレエを見た経験が乏しいのでなんとも言えないが、あんな豊かな貌の表現をするバレリーナはほかにもいるんだろうか?ほとんど女優だと思った。今、椿姫のDVDを見返してもそう思う。ほとんど女優というか、彼女は女優だ。

社交会の高嶺の中の高嶺の華のとして取り巻きに囲まれ、サロンで可笑しそう笑う、でも心の根は冷えているマルグリットの表情、
その後恋に落ちるアルマンを初めて見た時ふと出てしまう素の表情、その後ハッと我に返ってパトロン達と、純朴な青年アルマンを嘲笑うに戻る。その冒頭だけでも彼女の表情は物凄いし、高級娼婦であるマルグリットをあまりにも現し涙が出そうになる。


話戻ってレバノンのタダンサー、アマーニは、別にギエムと似ている訳では全然ないが(世界も全く違うが)、これも演じっぷりの据わった人だな~と彼女の貌から感じDVDを見た。
私はどーも舞台根性の据わった女が好きみたいだ。舞台に立ったらそこで起こる全てを引き受ける度量を感じさせる女が好きだ。


余談 :
踊りに興味がなかった時は「振付」という存在についても考えたこともなかったが、ギエムの『椿姫』を見て、劇的で精神分裂的なリストのピアノソナタ・ロ短調から、この物語をバレエで振付けた人は天才だと思った。そして今はベリーのスタジオの先生の踊りで知った、NYのエジプト人、バービー・ファラーという人も天才だと思っている。世界、品格、それを身体の動きでつくるなんて天才だ。「振付」ってすごいなー、世界は知らないもので満ちている~
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by voicivoila | 2007-06-07 21:47 | ベリーログ | Comments(2)
Commented by Angelita at 2007-06-10 13:27 x
フラメンコのような即興性の強い踊りでも、テアトロで上演される作品などでは振り付けは不可欠です。舞踊団によって発揮されるオリジナリティがその舞踊団の個性であったりもして面白いです。
私は昔バリシニコフのファンだったけれど(もう踊れないからね)、彼のスリリングで力強く、でも優雅で強靭なしなやかさをもった踊りが本当に好きでした。生の舞台を2回観られたことは宝物のような思い出です。
Commented by voicivoila at 2007-06-10 23:02
振付は、その振付師の世界観をあらわして興味深いねー
ひとつの動作、たとえば手を挙げる、足を払う・・・そんなひとつの動作で見るものに想起させるイメージがあり。。。

ほんとに生の舞台の勝るものはないよね、構築された世界を創り、かつ優れた即興性も持つ表現者、そんなひとが本当に素晴らしい舞台人なのかな、と思う最近です。ベリーと出会ってそんな事を思わせる刺激的な表現者にたくさん出会って。そしてそこに観客としている人間もその場(表現)を一緒に関わりつくってるんだよね。そんな同時(空間)性にとても興味が出てきたのも踊りと音楽のライブを見出してからです
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